カステラのザラメ

あると嬉しいね

【ダブル・レギュE】BO1アカツキサマヨ

 

構築経緯

こごえるかぜの強さ

現在の環境ではポケモンのパワーが高く、トルネロスやウーラオスなどによるおいかぜ構築や、テツノカイナやランドロスなどを絡めたサイクル構築が環境の大半を占めている。適当に構築を組んだ場合、前者を使われるとSが負けている状況では上から火力を一方的に押し付けられ、後者を使われると並耐久のポケモンでは耐えて返されるような展開が考えられた。

そこで、耐久が高めのポケモンによるこごえるかぜが強力であると考えた。おいかぜ構築に対しては耐久を活かしてS操作が行え、サイクル構築に対しては同じように撃ち合うことができるからである。

その中で、最初は以下のポケモンたちに注目していた。

  • アローラキュウコン
    • 長所:タイプ一致、壁展開可能、技が優秀、Sが高い
    • 短所:テツノカイナや手動雨に弱い、既存の構築に行き着く
  • キチキギス
    • 長所:猛毒をばら撒ける、独特な耐性
    • 短所:特性が発動しないと弱い(おんみつマントも厄介)
  • クレセリア
    • 長所:高耐久、横の回復
    • 短所:火力は低く、上2匹以上に横への依存度が高い

しかし、アローラキュウコンとキチキギスについては短所が目立ってしまっていた。

BO1特有の強み  

こごえるかぜで検索をかけていると、サマヨールが目に入った。ダイマックス環境においてはこごえるかぜ採用が使われていたことも稀にあったポケモンである。

おみとおしによって一方的に相手の型を知り、サマヨールとして一般的なS操作技であるトリックルームを軸としないことによって相手の意識していない展開を作ることができる。この2つを持つこごえるかぜサマヨールはBO1で強力だと感じた。

クレセリアとの違いは、特性の他に、ねこだましが無効であることや、メンタルハーブがあり得ないのでトルネロスの無意味なちょうはつを誘導しやすいということも挙げられる。

サマヨールの相方

サマヨールの相方として求められるのは、トリパのエースのように見えるポケモンでありながら相手と撃ち合うことができるポケモンである。そこで、ガチグマ(アカツキを採用した。

S以外のステータスが高く、範囲技を持つことや技範囲の広さが魅力的である。新ポケモンなので単純に使いたかったのもある。

また、実際に使ってみて気付いたのだが、ブラッドムーンの火力が非常に高く、相手の残数を簡単に減らすことができるのも優秀だった。

おいかぜ要員

ここまでで、こごえるかぜでSを下げながらガチグマで荒らす展開が決まった。初手に出てきやすいトルネロスに対して、トリックルームをちらつかせておいかぜをさせることなく、ブラッドムーンでトルネロスを処理することができる。つまり、この状況で簡単に最も速くなれるのはブーストエナジーでSをブーストさせたポケモンになる。相手のブーストエナジー持ちに対しても初手でこごえるかぜを展開しているので、テツノツツミやハバタクカミも怖くない。

高いSから一方的においかぜを展開できて殴る性能もあるポケモンとして、トドロクツキを採用。テツノコウベを使ってはいないが、パワー不足だと考えられる。

スイーパー

Sブーストのトドロクツキを入れたが、メインが単体技である上に、Aブーストじゃないので火力も十分ではない。そこで、素のSが高く範囲技を覚えてスイーパーとして期待できるこだわりメガネのハバタクカミを採用した。

補完

現状フェアリーの一貫が高く、相手のハバタクカミ+イーユイにテンポを取られることが考えられたので、とつげきチョッキ持ちのヒードランを入れた。トリックルームっぽさを醸し出す上でも役立っていると思っている。

最後の枠にはじめんの一貫を切るオーガポン(いどのめん)を採用。ウーラオスのすいりゅうれんだを牽制したり、相手のみずテラスへの打点を持ったりすることができる。このゆびとまれがあるのでトリックルームっぽさが出ているかもしれない。

技や調整等の変遷や詳細については個別解説で触れようと思う。

個別解説

サマヨール

テラスタイプ:どく
持ち物:しんかのきせき

性格:ずぶとい
努力値:H252 B84 C4 D148 S20
実数値:147-67-177-81-169-48
技構成:ナイトヘッド/こごえるかぜ/いたみわけ/てだすけ
特性:おみとおし
B:A200ウーラオスの雨テラス強化すいりゅうれんだ確定耐え
S:S-1の4振りテツノカイナ抜き

クローズドBO1において強力な特性であるおみとおしを持った高耐久ポケモン

技構成は、採用理由である「こごえるかぜ」の他、ちょうはつを受けた際に腐ることなく火力を出せるナイトヘッド、ガチグマやトドロクツキ、ハバタクカミなどのリーチを伸ばすための「てだすけ」を採用している。

最後の枠には、サマヨールの強みの一つでもある「いたみわけ」を入れている。「いたみわけ」を採用しておくことでサマヨールで詰める展開も作れる。一番自由な枠であり「トリックルーム」を採用したこともあったが、使う機会があまりなかったので不採用。現状の寿司対策がトドロクツキのワイドブレイカーやはたきおとすを駆使することと考えているが、「くろいきり」を採用すれば楽には勝てる。ただし、構築の性質上汎用性は低い。

テラスタイプは「どく」。毒寿司に対して、てだすけブラッドムーンでヘイラッシャを飛ばしながらキラースピンを防ぎ、有利な展開を築くことを目的としている。

 

ガチグマ(アカツキ

テラスタイプ:フェアリー
持ち物:シルクのスカーフ
性格:ひかえめ

努力値:H4 B4 C252 D156 S92
実数値:189-67-141-205-105-84
技構成:ブラッドムーン/ハイパーボイス/だいちのちから/まもる
特性:しんがん
B:A167ヘイラッシャのウェーブタックル最高乱数以外耐え
C:特化,ブラッドムーンの圏内を伸ばす
D:余りで耐久指数最大
S:おいかぜ下最速100族抜き

先発からハイパーボイスやブラッドムーンを使って荒らす役割。

もちものは「シルクのスカーフ」。シルクのスカーフで採用することで、てだすけブラッドムーンによってH振りのみのクレセリアが中乱数で飛ぶほどの火力が出せる。一番の採用理由は、てだすけブラッドムーンで一般的なモロバレルが飛ばせるからである。

技構成は全て確定技であり、最大火力を出す「ブラッドムーン」、範囲技であるハイパーボイス、ノーマル耐性持ちのポケモンへの打点となる「だいちのちから」、縛り合いだけでなく、こごえるかぜを刺す場面やブラッドムーンの2回目を撃ちたいときに使える「まもる」としている。「しんくうは」を入れたい気持ちはあるが、切る技がない。

テラスタイプは「フェアリー」。最初はみず耐性とこおり耐性の欲しさから「みず」で使っていたが、初手のウーラオスがいちげきのかただった場合にサマヨール+ガチグマではきつく、くさ技の一貫やテツノカイナから弱点を突かれるのが厄介だったので変更。等倍でもある程度は耐えることができ、対テツノカイナの安定性も上がることからフェアリーは強かった(ヘビーボンバーの威力は40)。

 

トドロクツキ

テラスタイプ:どく
持ち物:ブーストエナジー
性格:ようき
努力値:H4 A212 B36 D4 S252
実数値:181-186-96-x-122-188
技構成:はたきおとす/ワイドブレイカー/おいかぜ/まもる
特性:こだいかっせい
A:火力が欲しいのでSブーストの範囲で高め
B:A-1A172パオジアンのつららおとし最高乱数以外耐え
S:ミラー意識最速(火力が欲しい側面もある)

単体性能が高いおいかぜ要員。

持ち物は「ブーストエナジーでSブースト。トドロクツキ単体で見ると火力が足りないこともあるが、こごえるかぜ後に裏からおいかぜを展開するのが強力なのでSブーストから変えることはなかった。

テラスタイプはかくとうやフェアリーに耐性をつけるために「どく」。アクロバットを採用していたときは「ひこう」にしていたが、アクロバットを不採用にする場合は一貫する弱点があるひこうの意味がなかったので変更。

技構成は採用理由の「おいかぜ」とメインウェポンで追加効果も強力な「はたきおとす」が確定。「まもる」も外したことはあったが不便なことが多すぎたので必要だと考えている。最後の枠にがにゅーオフでは「アクロバットを採用して耐久に厚く振っていた。はたきおとすが半減される場合に活きやすいと考えていた。

しかし、トドロクツキにひこうテラスを残すケースも少なく、火力が足りないと感じる場面が多かった。また、ハバタクカミを活かす上でB方面の不安があった。そこで、火力に振って「ワイドブレイカー」を採用。フェアリータイプへの打点はなくなるが、ハバタクカミがあく等倍であることもあって気になることは少なかった。むしろ範囲技である上に物理環境でのAを下げる動きがハバタクカミを活かすだけでなく、サマヨールで詰める展開に繋がる。

火力に振ったこともあり、てだすけとの相性がよくなった。

 

ハバタクカミ

テラスタイプ:フェアリー
持ち物:こだわりメガネ
性格:ひかえめ
努力値:H84 B140 C76 D4 S204
数値:141-54-93-181-156-181
技構成:マジカルシャイン/ムーンフォース/シャドーボール/パワージェム
特性:こだいかっせい
B:A172パオジアンのつららおとし確定耐え

C:晴れ下でCブースト
D:C187イーユイのオーバーヒート確定耐え
S:最速111族抜き抜き

後発から出して上から殴るだけのスイーパー。

技構成はほのおタイプへの打点として「パワージェム」を採用していること以外はオーソドックスなもの。

火力を上げるために「フェアリー」ラスタルで採用。てだすけテラスマジカルシャインは無振りイーユイがダブル補正込みで落ちる程度の火力。

 

ヒードラン

テラスタイプ:フェアリー
持ち物:とつげきチョッキ
性格:ひかえめ
努力値:H148 B4 C252 D12 S92
実数値:185-x-127-200-128-109
技構成:ねっぷう/ラスターカノン/だいちのちから/テラバースト
特性:もらいび
C:火力が欲しいので特化
S:S-1最速ウーラオス抜き

補完として入れる上で優秀な耐性を持っており、S操作によってより強くなる。

もちものはとつげきチョッキ。イエッサン+グレンアルマやハバタクカミ+イーユイ、サーフゴーなど特殊ポケモンに役割対象が多いので無難に強い。技構成は普通のもの。

テラスタイプはこの構築3枚目の「フェアリー」。テツノカイナやイーユイ、ボディプレスを使用するポケモンに強くなれる。

 

オーガポン(いどのめん)

テラスタイプ:みず
持ち物:いどのめん
性格:いじっぱり
努力値:H252 A76 B108 D4 S68
実数値:187-165-118-x-117-139
技構成:ツタこんぼう/ウッドホーン/このゆびとまれ/ニードルガード
特性:ちょすい
A:11n

B:A204カイリューのわざわいハチマキテラスしんそく確定耐え
    A200ウーラオスのハチマキあんこくきょうだ高乱数耐え(87.5%)
S:S-1最速テツノツツミ抜き抜き

タイプも特性も技も強く、場にいるだけで相手の行動を牽制できる。

補完として入れる上でちょうどよいポケモンで、特に触れることもない。

選出

あくまでも選出の例。

基本選出

先発: +

後発: +

先発は基本的にこれで、後発にオーガポンやヒードランを選出するケースもある。

こごえるかぜを扱いながらガチグマで荒らし、後発でおいかぜを展開する。

対カミイーユイ

先発:or+何か

後発:or+何か

カミイーユイが先発にくるとガチグマ+サマヨールでは抗えないので、トドロクツキとヒードランでうまく展開したい。

対寿司

先発:

後発:

トドロクツキのサポートとブラッドムーンで削ることが重要になる。

カミイーユイがいない毒寿司に対しては、先発をガチグマ+サマヨールにしても強い。サマヨールを活かして戦うことで、もっと選出を詰めることはできそう。

対イエアルマ

パターン化していないが、トドロクツキやヒードランが大切になる。

オオニューラが厄介なので、上から殴る展開を作ったり、この指止まれをちらつかせたり、テラスタルを駆使したい。

戦績

第27回東北ポケモンオフ優勝

おわりに

オープンシートBO3が主流になっている中、クローズドシートBO1らしい構築になったと感じている。クローズドを前提としているので、記事の公開後は期待できない。

がにゅーオフでは不甲斐ない成績で終わったが、構築の軸には自信があったため改善した結果、東北ポケモンオフで優勝できてとても嬉しい。

余談だが、構築名のアカツキアカツキガチグマだけでなくトドロクツキも指していて、結構気に入っている。