カステラのザラメ

あると嬉しいね

【ダブル・シリーズ4】鬱憤ガエンサマヨ

使用パーティ

f:id:sepal:20200701044854j:plain

 

構築経緯

f:id:sepal:20200630162944p:plain 構築を組むにあたり、日本一決定戦予選の直前に解禁された新要素によって強化されたポケモンが増えると思い、まずはそれらについて考察した。そして、以下のものが特に強く、環境に大きな影響を与えると考えた。

・夢エースバーン
・グラススライダー夢ゴリランダー
・ワイドフォースイエッサン+ブリムオン
・うっぷんばらしじゃくてんほけんバンギラス

これらに強いものが軸となる構築を組むために色々と考えた結果、じゃくてんほけんガオガエンに辿り着いた。ガオガエン解禁時からじゃくてんほけんガオガエンには興味があったが、うっぷんばらしという新技を習得したことにより、非ダイマックス時にも高い火力を出せるようになり、環境も追い風だと考え、このポケモンを中心に考えることにした。

f:id:sepal:20200630162956p:plain エースバーン解禁によってダイジェットやエルフーンのおいかぜを主とした構築が再び増えている印象を受けてトリックルームを軸にしたいと考えていた。サイクルを回せてトリックルームをスイッチできる構築が自分の好みであり強いと思っているので、高耐久なトリックルーム始動要員であり、じゃくてんほけん+うっぷんばらしのギミックを発動するポケモンとしてサマヨールを採用。

f:id:sepal:20200630163011p:plain ガオガエンを使う上で厄介なのがみずタイプ全般で、特に、ガオガエンからの打点がないアシレーヌに強いポケモンを入れる必要があった。また、トリックルームを使う上で、トリックルーム下でもそうでなくても強いポケモン(数値の高いバンギラスや、高火力を常に上から出せる6世代のファイアローのようなポケモン)がいる方が強いと思っているので、ゴリランダーが最適だと感じた。ねこだましによるトリックルームのサポートも偉い。

f:id:sepal:20200630163026p:plain ゴリランダーだけでは対みずタイプで不安が残るので、みずタイプに強いポケモンであり高い性能を持つウォッシュロトムを採用。ガオガエンが非トリックルーム下では辛いバンギラスドリュウズといったいわタイプとじめんタイプにも強く、ガオガエン解禁時から使われている組み合わせでもあって相性がよい。

f:id:sepal:20200630163038p:plain  ウォッシュロトムを動かす上で厄介なゴリランダーの攻撃やサマヨールに飛んでくるちょうはつを吸えて、サイクルを回せる汎用的なポケモンとしてトゲキッスを採用した。このポケモンに関しては特に述べることもないだろう。

f:id:sepal:20200630163050p:plain ここまでで相手のフシギバナ入りの晴れパーティが重いので、それに強いポケモンとしてドラパルトを採用。ヌメルゴンバンギラスなども考えたが、パーティに1匹速いポケモンがいるだけで選出の幅が広がり、相手にとっても考える量が増えるはずなので正解だっただろう。

もちもの等の変遷については個別解説で触れようと思う。

 

個別解説

f:id:sepal:20200630163050p:plainドラパルトとつげきチョッキ

性格:いじっぱり
努力値:A252 D4 S252
実数値:163-189-95-x-96-194
技構成:ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/そらをとぶ/とんぼがえり
特性:クリアボディ
A:特化、ダイジェットで187-103フシギバナを高乱1(75%)
D:ダイマックス時C206いのちのたまブリムオンのキョダイテンバツ(130)確定耐え
S:S+1でS2倍の最速80族抜き

選出時の圧力が強い雰囲気最強のポケモン

実際はそれほど出さず、フシギバナ入りの構築に対して主に出すことになる。そのため、そらをとぶを採用し、ダイジェットでフシギバナを抜く程度のすばやさを確保した。「ドラゴンアロー」はドラゴンクローと違って範囲技のように扱えて便利であった。

最初はフシギバナバタフリー意識で「ラムのみ」で使っていたが、発動機会が少なかったこと、ねむりごなはトゲキッスで吸うかゴリランダーのねこだましで止めればよいこと、ゴリランダーがとつげきチョッキでなくなったことから、とつげきチョッキに変更。これにより、耐久と火力とすばやさの全てを満たしてくれた。

とつげきチョッキにするにあたり、「まもる」が採用できないので、最後の枠を考えたところ、非ダイマックス時にもダイマックス時にも優秀な「とんぼがえり」を採用した。ダイワームが強力で、C195アシレーヌ(火力強化アイテムなし)のダイフェアリー(130)や、C150ラプラス(いのちのたま)のキョダイセンリツ(130)をダイワームによるCダウンととつげきチョッキにより2回耐えることができる。イエッサンへの最高打点でもあり、イエッサンブリムオン+フシギバナコータスのような並びに強くなる。

また、パーティの配置でサマヨールと並べることで、じゃくてんほけんドラパルト+かげうちサマヨールを相手は警戒し、じゃくてんほけんガオガエンの警戒が薄れるかもしれない。

 

f:id:sepal:20200630162956p:plainサマヨールしんかのきせき

性格:のんき
努力値:H252 B92 D164 A個体値0 S個体値4
実数値:147-75-178-80-171-28
技構成:ナイトヘッド/じならし/いたみわけ/トリックルーム
特性:おみとおし
A:味方のガオガエンへのじならしのダメージ最小
B:A172いのちのたまドラパルトのダイホロウ(130)最高乱数以外耐え

D:C167いのちのたまドラパルトのダイホロウ(130)高乱数耐え(81.3%)

S:最遅サマヨール抜き, S-2最遅60族抜かれ

トリックルーム始動要員。

努力値調整はよくあるものだが、すばやさを他の最遅サマヨールよりも1だけ早く個体値調整することで、お互いのS関係が明確になり行動しやすくなる。また、うっぷんばらしの仕様上、じならしを何度か撃つことになるかもしれないが、3回目まではサマヨールの方がトリックルーム下でガオガエンよりも速く動けるという絶妙なSラインだと思う。

ギミック発動のトリガーとして、じならしかがんせきふうじが考えられる。がんせきふうじはガオガエンのSだけを下げるので60族の同速勝負が減るメリットがあるが、このゆびとまれで吸われる点や、命中不安、威力がダブルじならしより高いというデメリットを考えて今回は「じならし」を採用した。

ナイトヘッドは削りとして、「いたみわけ」は自身の回復技でありながら相手への削りも行える技としてそれぞれ重要だと思っている。くろいきりも相手の積みやじならしギミックに強くなるため選択肢としてあったが、切る技がなかったため採用を諦めた。

 

f:id:sepal:20200630163026p:plainウォッシュロトム@いのちのたま

性格:ひかえめ
努力値:H188 B12 C236 D4 S68
実数値:149-x-129-170-128-115
技構成:ハイドロポンプ/10まんボルト/あくのはどう/サイドチェンジ
特性:ふゆう
H:10n-1
B:ダイマックス時A211ドサイドンのA+2ダイロック(130)+砂ダメージ+いのちのたまダメージを高乱数耐え(81.3%)

C:306-105リザードンをダイサンダーで確1
   191-176トゲキッスをダイサンダーで高乱1(81.3%)
D:ダイマックス時C161いのちのたまリザードンのサンパワーダイソウゲン(140)高乱数耐え(87.5%)
S:準速バンギ抜き抜き

ガオガエンとの相性が非常によいポケモン

ガオガエンの苦手なみずタイプ全般(特に、ガオガエンからの打点がないアシレーヌ)に強く、ロトムの苦手なくさタイプ全般にガオガエンが強い。

技構成について、でんき技にライジングボルトという選択肢もあったが、ロトムダイマックスさせないことも多い上に、パーティにゴリランダーがいて、フィールドが書き換わることも多いと考え、10まんボルトを選択。あくのはどうは、くさタイプやドラゴンタイプへの打点である他、ダイアークによるDダウンを評価して採用。これにより、こちらからの打点が乏しいてっぺきナットレイに対しても強く出られる。

そして、サイドチェンジについて。元々この枠には「わるだくみ」が入っていた。しかし、積むことがそれほどなく、それ以上に、ロトムを守りたい場面が多いように感じた。ロトムを守るだけならまもるを採用すればいいのだが、ロトムだけでなく、トリックルームのサポートや、トリックルームが切れた後のガオガエンへの攻撃を防ぐなど、味方を守りたいことも多いため、「サイドチェンジ」を採用した。あくのはどうといのちのたまを見せると、相手はサイドチェンジを警戒しにくくなると思うので、この採用は間違っていなかったと思う。

ゴリランダーに弱いポケモンであるが、ゴリランダーがトゲキッスに対して打点がないため、それほど動きづらいとは感じなかった。

 

f:id:sepal:20200630163038p:plainトゲキッス@リリバのみ

性格:ずぶとい
努力値:H244 B196 C4 D20 S44
数値:191-x-154-141-138-106
技構成:マジカルシャイン/このゆびとまれ/あくび/まもる
特性:きょううん
H:16n-1

B:A172いのちのたまドラパルトのてだすけダイホロウ(130)確定耐え
D:C167いのちのたまフシギバナヘドロばくだん確定耐え
S:サポート型トゲキッスミラー意識で残り全て, 無振り85族抜き

 環境トップレベルのサポートポケモンこのゆびとまれによるサポートはもちろん、サイクルを回す上でも活躍してくれる。

持ち物は相手のエースバーンやドリュウズの前で行動したいので「リリバのみ」で採用。ラムのみにしてパーティに催眠耐性を付与することも考えたが、それ以上にはがね技を等倍で受けられる利点はでかいと感じた。

「まもる」トゲキッスを盤面に残したりダイマックスターンを凌いだりするために必要。「あくび」は相手のダイマックスポケモンに不利な選択を強いたり盤面を整えたりできる強い技で、相手のトリックルーム対策のポケモンを流すように盤面を整えていけば、最終的にはトリックルームを展開して制圧することができる。

攻撃技にはマジカルシャインを採用しており、範囲技で相手の削りを行える点が偉い。ロトムが苦手なゴリランダーへの最大打点で、バンギラスやドラパルトのじゃくてんほけんをケアできるエアスラッシュ、てっぺきナットレイ意識のねっぷうも考えたが、サポートポケモンでありながら相手を削っていける点を評価してマジカルシャインを選択した。てっぺきナットレイガオガエンで焼いたり、ロトムのダイアークでDを下げてゴリ押したり、サマヨールトゲキッスを活かしてTODしたりといった処理ルートがあるのであまり問題はなかった。

 

f:id:sepal:20200630162944p:plainガオガエンじゃくてんほけん

性格:ゆうかん
努力値:H244 A252 B4 D4 あまり4 S個体値0
実数値:201-183-111-x-111-58
技構成:フレアドライブ/うっぷんばらし/インファイト/まもる
特性:いかく
A:+2ダイバーンで310-95エースバーン(等倍)を高乱1(87.5%) (じならし込み確定)
    +2うっぷんばらし(150)で310-95エースバーン(等倍)を確1
    +2ダイナックルで414-130バンギラスを高乱1(81.3%) (じならし込み確定)
    +1インファイトで414-130バンギラスを中乱1(50%) (じならし込み高乱1(87.9%))
S:バンギラス意識最遅

この構築の軸であり、ダブルバトル最強のポケモン

一般的なガオガエンといえば、ねこだましすてゼリフ(とんぼがえり)、いかくによるサポート性能を活かしたものが多いが、そのイメージを崩すアタッカー型のガオガエン。そのため、技構成も普通のガオガエンとは異なる。

メインウェポンとなる一貫性がある高火力あく技「うっぷんばらし」、相手のバンギラスを処理できるインファイトは確定。また、ダイマックスポケモンにはダイウォールがあった方が強いという考えと、ギミック失敗時に、相手のダイマックスポケモンからの弱点技をまもるで受けてじゃくてんほけんを発動させつつ、横をトゲキッスに交代して、その次のターンはこのゆびとまれで吸うような行動が強そうだという考えのもと、「まもる」を採用。実際、ガオガエンのまもるは警戒されにくい技であり強力だった。

残る1枠にはエースバーンがかくとうタイプになっていた場合に通す技を考えた。候補としては2つあり、フレアドライブベースのダイバーン(タイプ一致210)かアクロバット(抜群220)であった。アクロバットダイマックスせずにかくとうタイプのエースバーンを倒すことができるという利点こそあるが、汎用性も低く、相手のトゲキッスを処理する手段がなくなることが弱いと感じた。そのため、ダイマックスを切る必要はあるがフレアドライブを選択した。ダイバーンで晴らすことによって相手のみず技を等倍で受けられる点も強い。

他の技候補についても触れておく。かみなりパンチを入れるとダイサンダーで187-95アシレーヌを確定で持って行けるようになるが、アシレーヌとの同速勝負で負けた場合に試合も負けに直結するので採用には至らなかった。毎試合でがんせきふうじを当てる自信があるならばサマヨール+アシレーヌの組み合わせに強くするためにサマヨールのじならしをがんせきふうじに、ガオガエンのまもるをかみなりパンチにするような選択肢もある。

ねこだましもゴリランダーと対面しているロトムの行動やサマヨールトリックルームのために欲しいと思う場面があったが、切る技がなかったため不採用。

注意すべき点として、トリックルーム下こちらサマヨール+ガオガエン、相手サマヨール+バンギラスという盤面でお互いのサマヨールがじならしを選択した際、ガオガエンバンギラスのすばやさが2段階下がり、S実数値がともに29になり同速勝負になってしまうことがある。お互いがS-1であればガオガエンの方がトリックルーム下で先に動けるので、このような盤面になったときは相手がじならしする読みでじならしを選択しないような動きも必要になる。

 

f:id:sepal:20200630163011p:plainゴリランダー@きせきのタネ

性格:ゆうかん
努力値:H252 A132 D124 S個体値0
実数値:207-178-110-x-106-81
技構成:ウッドハンマー/グラススライダー/とんぼがえり/ねこだまし
特性:グラスメイカ
A:ウッドハンマーで164-116ブリムオンを最低乱数以外一発
D:C195いのちのたまアシレーヌのダイフェアリー(130)を最高乱数以外耐え
S:先発イエッサン対面意識で最遅

イエッサンのフィールドを剥げて、高火力な先制技を持つポケモン

すばやさを最遅にすることでイエッサンとの対面でほぼ確実にフィールドを取れたり、後攻でとんぼがえりが使えたりする点が強い。さらに、トリックルームのサポートとしても、トリックルーム下でのアタッカーとしても、トリックルームが切れた後の高火力な先制技によるスイーパーとしても強い。

最初はガオガエンとの補完として、みずタイプ全般に強くするために「とつげきチョッキ」で使っていた。しかし、イエッサン+ブリムオンにトリックルームを決められてキョダイテンバツを撃たれる展開が多かったので、「きせきのタネ」を持たせ、ブリムオンをウッドハンマーで倒せる火力を確保した。ちなみに、とつげきチョッキを持たせていたときにはウッドハンマーではなく「はたきおとす」を入れていた。

技構成は、最高火力を出せるウッドハンマー、高火力先制技である「グラススライダー」は確定。残る2枠には、横のポケモンの行動保証となるねこだまし、フィールドの取り合いやねこだましを再度撃てる盤面を作れる「とんぼがえり」を採用した。
はたきおとすや10まんばりき、ばかぢからを採用すると技範囲を広げることができるが、それほど必要に感じなかった。

選出率はドラパルトに次いで低かったが、このポケモンも選出圧力として活躍していただろう。

 

選出

あくまでも選出の例。

◎基本選出

f:id:sepal:20200630163026p:plainf:id:sepal:20200630163038p:plainf:id:sepal:20200630162956p:plainf:id:sepal:20200630162944p:plainの中から先発2匹、後発2匹

この4匹から選ぶ6通りの選出の中で、特に、ロトム+トゲキッスサマヨール+トゲキッスが多かった。しかし、いかくを撒くためにガオガエンを先発で出すことも多く、6通り全ての選出をしていた。

先発ロトム+トゲキッスは序盤に荒らして、後発のサマヨール+ガオガエントリックルームして制圧する並び。先発サマヨール+トゲキッスは先にトリックルームを展開しガオガエンで暴れた後、ロトムで詰めるルートになる。ガオガエンロトムのどちらをダイマックスさせるかは試合次第。

やや不利な構築としてエルフーン+ジュラルドンがいるが、ローブシン入りであればサマヨール+ロトムから入ってトリックルーム+サイドチェンジでうそなきを躱しながらトリックルームを展開、ローブシンがいなければロトム+トゲキッスから入ってジュラルドンを処理していくことになる。

 

◎対ガチトリル

先発:f:id:sepal:20200630163011p:plainorf:id:sepal:20200630163038p:plain+f:id:sepal:20200630163050p:plainorf:id:sepal:20200630163026p:plain

後発:自由

ゴリランダーはイエッサン+ブリムオンに対して出し、ドラパルトはフシギバナ+コータス入りに対して出す。

後発には、コータスドサイドンがいればロトム、いかくを撒きたければガオガエントリックルームを返したければサマヨールを出す。先発からダイマックスを切るかはその後の展開をよく考えた上で決定する。

 

◎対エルフーン+エースバーン

先発:f:id:sepal:20200630162956p:plain+f:id:sepal:20200630163011p:plainorf:id:sepal:20200630162944p:plain

後発:f:id:sepal:20200630163038p:plain+f:id:sepal:20200630162944p:plainorf:id:sepal:20200630163026p:plain

トリックルームさえできればイージーウィンできる構築で、トリックルームできなくても有利な構築。ゴリランダーはイエッサン入りに対して出していく。

トリックルーム対策ポケモンを盤面から除きさえすれば楽に勝てるのでプレイングが大事になってくる。

 

戦績

 日本一決定戦予選 最終1812 11位

f:id:sepal:20200701043348j:plain

(サブロムなのでゴリランダーの持ち物はおはなのおこう)
 

おわりに

剣盾になってようやく結果を出すことができた。

8世代環境に適応できないままに挑んだ2月、そこそこの構築を組めたが鉄壁ナットの流行を知らずにボーダーに乗れなかった4月、JCSとWCSがなくなり翌年の権利もないと分かってモチベが低下していた5月とINCを無駄にしてしまっていた。しかし、日本一決定戦とPJCS2021権利を聞いてモチベが復活し、鎧の孤島解禁後に頑張った甲斐があったと思う。

この構築はマリルリやウーラオスモロバレルなど苦手そうなポケモンが解禁される新環境では厳しいと思うので、日本一決定戦まで1ヶ月と時間がないが、それまでにまた良い構築を組めるように頑張っていきたい。