使用パーティ
(カプ・コケコのめざめるパワーのタイプはほのお)
構築経緯
現環境に刺さっているメガラグラージからスタート、ラグラージ軸ということで雨パに。
最近の雨パはトリルスイッチでない場合には雨への依存度が高い(あめふらし+すいすい2匹など)印象が強いが、今の環境は様々な構築が存在しており、選出幅が広いパーティの方がよいと考えた。特にメガラグラージは単純に数値が高いポケモンなので、雨がなくても活躍する機会は多いだろう。
雨始動要員にはニョロトノとペリッパーがいるが、ラグラージを軸にする場合、雨後出しからの制圧という行動を取りたいので、繰り出し性能の高いニョロトノを採用。また、雨との相性のよさからナットレイまではすんなりと決まった。
そして物理ポケモンをエースとする際に課題となるのが相手のいかくポケモン。INC Marchの2週間前(がにゅーオフの1週間前)に解禁されたガオガエンの影響でいかくを撒かれる機会が増えた。ラグラージ自体はガオガエンやランドロス、ボーマンダには強めだが、いかくは他のポケモンの処理を遅らせるのでやはりつらい。さらに、雨パにはカプ・ブルルやモロバレルなどのくさタイプとジャラランガのためにひこう打点が欲しい。ここで注目したのがウォーグルである。まけんきでいかくを餌とし、高火力ひこう技を持ち、おいかぜができ、さらには雨を奪いにくるバンギラスを一撃で処理する手段を持っている。ウォーグルが苦手とするポケモンにはラグラージが強い。
ここまでで相手のナットレイがとにかく重い。リザードンも重い。いかくが欲しい。ねこだましでおいかぜのサポートや相手のおいかぜトリックルームを誤魔化したい。ガオガエンの採用で簡単に解決した。
フェアリータイプなしではジャラランガが怖く、また、カミツルギの処理をガオガエンに一任するのはせいなるつるぎやカミツルギが処理されることを嫌った交代に対応しにくいので、カミツルギを上から縛れるフェアリータイプであるめざめるパワーほのお持ちのカプ・コケコを入れて完成。ついでにひこうの一貫性も切れた。
がにゅーオフからINC Marchでの変更点は個別解説で触れようと思う。
個別解説
ニョロトノ@マゴのみ
性格:おだやか
努力値:H244 B172 C76 D4 S12
実数値:196-x-117-120-133-92
技構成:ねっとう/くろいきり/てだすけ/まもる
特性:あめふらし
H:4n
B:A197ランドロスのじしんZ高乱数耐え(81.3%)
C:雨ねっとうで165-100ランドロス確1、202-110チョッキガオガエン確2
D:C147カプ・コケコのエレキフィールド10まんボルト高乱数耐え(87.5%)
S:実数値90(おいかぜ下で最速111族抜き)抜き抜き
バルドルさんの雨ファイヤー(【WCS2018】雨ファイヤー - バルドルのなみのり日記)を参考にした。トノラグについてやニョロトノの出し方、ニョロトノとラグラージの技構成についてが詳しく書かれているので、先にこちらを見て欲しい。
私の調整はDをより確保した形であり、ニョロトノへの交代を行いやすくした。
しかし、ギリギリで回復できないこともあったので一長一短だろう。
くろいきりはエレキネット、いかく、まけんきとは相性がよくはなく、氷技でボーマンダを殴りたい場面やラス1でほろびのうたがあれば勝てるといった場面もあったが、それ以上にジャラランガやカビゴン、ラッキー、マリルリ等へのくろいきりは優秀だった。
性格:いじっぱり
努力値:A252 D4 S252
実数値:メガ前175-178-110-x-111-112
メガ後175-222-130-x-131-122
技構成:たきのぼり/じだんだ/れいとうパンチ/まもる
特性:しめりけ→すいすい
A:特化、れいとうパンチで171-150メガボーマンダを高乱1(93.8%)
A-1雨たきのぼりで191-111ガオガエンを高乱1(75%)
S:準速、同速においてワンチャンスかけられる
環境に刺さるメガシンカポケモン。
隣をニョロトノへ交代しないタイミングには、守るだけではなく、メガシンカせずに殴り、ニョロトノへの交代を伺うような選択も取っていた。
そのため、特性はしめりけではなくげきりゅうでもよかったかもしれない。(私の場合はどちらも発動機会はなかった)
またカプ・レヒレに対して、じだんだをウォーグルのZと集中すれば経験上100%カプ・レヒレが飛ぶ。しかし、ウォーグルのZでカプ・レヒレの1/2回復が発動することもあるので、持ち物を考えて集中する必要がある。
カプ・コケコ@とつげきチョッキ
性格:おくびょう
努力値:H52 B4 C116 D236 S100
実数値:152-x-106-130-125-179
技構成:10まんボルト/エレキネット/マジカルシャイン/めざめるパワー(ほのお)
特性:エレキメイカー
B:A160ナットレイのジャイロボール確定耐え
C:ダブルマジカルシャイン(D±0)+エレキフィールドダブルエレキネット(D+1)で151-125ジャラランガ高乱1(マジカルシャインのみで中乱1(50%))
エレキフィールドダブルエレキネット+ナットレイのパワーウィップで155-90-120ルンパッパ確定
めざめるパワーで143-83までのカミツルギを確1(=ほとんど落とせる)
めざめるパワーで181-137ナットレイを高乱2(97.3%)
D:C156ルンパッパの雨ハイドロポンプZ最高乱数以外耐え
C161キングドラの雨だくりゅうZ最高乱数以外耐え
C161カプ・レヒレのC+1だくりゅうZ確定耐え
S:最速110族抜き
地雷ポケモン。
重いカミツルギに対して上から有効な打点を持つフェアリータイプである。
がにゅーオフではCSこだわりメガネ(エレキネットの枠はボルトチェンジ)で使ったのだが、拘ると使いにくすぎた点と、雨を相手にした際にナットレイが過労死する点を踏まえて考察した結果、チョッキめざ炎コケコが誕生した。
ピンポイントなポケモンとなっているため選出率は低めだが、雨やリザードンカミツルギのような並びなどには選出しやすい。
C実数値は130と低く感じるが、エレキフィールド込みででんき技に限れば実質の数値は195、ひかえめC252サンダー(194)やおくびょうC252霊獣ボルトロス(197)とほぼ同じ。
D耐久は無振りカプ・コケコの約2倍といえばわかりやすいだろう。
ガオガエン@フィラのみ
性格:いじっぱり
努力値:H236 A36 B20 D132 S84
実数値:200-154-113-x-127-91
技構成:フレアドライブ/はたきおとす/ねこだまし/まもる
特性:いかく
H:4n
A:11n,フレアドライブで221-94までのモロバレル確1(=耐えられる可能性が高い)
はたきおとす(道具有+道具無)で177-161ゴチルゼルを超高乱2
B:A197メガメタグロスのA±0アームハンマーを最高乱数以外耐え
A197メガメタグロスのA-1じだんだを木の実込みで超高乱数3耐え
A216ランドロスのA±0ばかぢからを最高乱数以外耐え
D:C147カプ・コケコのエレキフィールド10まんボルトZ最高乱数以外耐え
S:実数値90(おいかぜ下で最速111族抜き)抜き
使い心地のいいクッション。
メガリザードンYとの天候合戦というのはガオガエンなしだと面倒なのだが、ガオガエンはほのおとくさを半減でき、ねこだましを使え、横にはいかくを刺せるという対リザードン軸において最強のクッションである。
ねこだましによってウォーグルのサポートをしたり、トリックルームターンを稼いだりもできて本当に使いやすすぎるポケモンだった。
まもるを切ってとんぼがえりを採用すれば、ジャラゲンブルルの処理がしやすくなったり、雨の展開を早めることができるので、そちらの方がよい気がする。
がにゅーオフではHAチョッキで使ったが、カプ・コケコにとつげきチョッキを譲り、フィラのみを持たせてクッションとしての性能を高めたものをINCでは使用した。
ウォーグル@ヒコウZ
性格:ようき
努力値:H156 A44 B12 D44 S252
実数値:195-149-97-x-101-145
技構成:ブレイブバード/おいかぜ/ばかぢから/まもる
特性:まけんき
A:ばかぢからで207-131バンギラスを確1
ブレイブバードZでB+1の150-145ジャラランガを確1
A+1ブレイブバードZ(=てだすけブレイブバードZ)で177-135カプ・レヒレ確1
B:A237メガバンギラスのダブルいわなだれ+砂ダメ確定耐え
D:C163までの一致抜群90技確定耐え
C161カプ・レヒレのだくりゅうZ確定耐え
S:準速霊獣ランドロス抜き抜き
MVPポケモン。
いかくガオガエンの解禁に伴い、まけんきやかちき、あまのじゃくが注目されており、その中の1匹である。
雨パーティに欲しい強力なひこう打点を持ちながら、ラグラージやナットレイが呼ぶいかくを餌にすることができ、おいかぜによるS操作も行える。また、ひこう+かくとうの技範囲の広さは顕在であり、天候を取ろうとするバンギラスを刈り取る。
耐久種族値もマリルリとほとんど同じであり、十分な数値である。
ただし、まけんきが発動したからと言って、居座ると展開が不利となる場合には引くことが肝心である。
がにゅーオフでは何も考えずにいじっぱりのHSベースで使っていたが、どう考えても準速ジャラランガ抜きは必須なので陽気にした。
さらに改善点として、INCが終わったあとだがA努力値は132まで振った方がよいと感じた。これは素のブレイブバードで151-145ジャラランガを確1、A+1ブレイブバードZで171-150メガボーマンダを確1、ばかぢからで175-170メガバンギラスを高乱1(87.5%)にできる数値である。
そのためには他を削る必要があるが、Sラインの実数値としては144(準速ランドロス抜き),141(準速ドリュウズ抜き),140(最速カプ・ブルル抜き),最低限の138(準速ジャラランガ,カプ・レヒレ抜き)あたりが候補だろう。残りは耐久を下げればよさそう。
しかし、こうするとブレイブバードZでカプ・レヒレの1/2回復が高確率で発動するため、持ち物の見極めの重要性が上がる。
ナットレイ@ウイのみ
性格:ゆうかん
努力値:H212 A204 D92
実数値:176-154-151-x-148-22
技構成:ジャイロボール/パワーウィップ/やどりぎのタネ/まもる
特性:てつのトゲ
H:4n
A:11n,やどりぎのタネ+パワーウィップで177-135カプ・レヒレ確1
207-130 (S124)バンギラスをジャイロボールで高乱1(81.3%)
B:A216ランドロスのじしんZ確定耐え
D:C156ルンパッパの雨ハイドロポンプZ+C161ペリッパーのぼうふう超高乱数耐え、木の実ほぼ確定で発動
ナットレイ+ラグラージ以外においてダウンロードでAが上昇(ナットレイ+ウォーグルのときB248 D249)
S:最遅
優秀なタイプを持ち、雨との相性のよさが光るポケモン。
雨ミラーにめっぽう強く、トリパにも強めに出せる。
さらに、詰めを行うことができるため、この構築の勝ち筋の一つとなり得る。
がにゅーオフとINCメインロムではHAで使っていたが、ルンパッパの雨ハイドロポンプZ+ペリッパーのぼうふうで落ちたことからDを高めた。
選出
◎基本選出
グロス軸やサナガエンなど、幅広い相手に対して安定する選出。
ラグラージとウォーグルで荒らしてナットレイで詰めていく。
モロバレルがいる場合にはウォーグルを慎重に使いたい。
ガオガエンを絡めて戦うこともある。
◎対リザスタン
@1
ニョロトノとガオガエンを回して天候合戦を有利に進めていくのが理想。
カミツルギがいる場合には先発からでもカプ・コケコを出していきたい。
ガオガエンにとんぼがえりがあると動かしやすいかも。
◎対雨
@2
ナットレイは丁寧に扱い、カプ・コケコは雑に扱う。
私のように雨の要素がニョロトノとラグラージのみであるようなパーティにはカプ・コケコを出す必要性は薄くなる。
キングドラにはエレキネットを刺してもカプ・コケコは抜けないので注意。
相手にもラグラージとナットレイがいればガオガエンを積極的に出していく
◎対ジャラゲンガエンブルル
一般的なジャラゲンガエンブルルはこれでいいだろう
カプ・コケコはフェアリー枠として採用していながらこのような形には出しにくい
ゲンガーのロックに気をつけ、くろいきり・おいかぜを駆使していく
ガオガエンにとんぼがえりがあると動きやすいと思う
◎対ラッキー
ほろびのうた対策としてマネネかバリヤードがいるとそちらを選出してマジックガード要員を選出しない(と思う)ので嬉しい。
くろいきりを刺しながら輝石をはたいてやどりぎのタネやねっとう火傷を稼ぎ、雨たきのぼりで削りきる。
一度も当たらなかったが多分これで大丈夫だろう。
ここで特別に触れるつもりはないが、ニョロトノを出さずにラグラージを出す場合や、ラグラージを出さずにニョロトノを出す場合、ニョロトノもラグラージも出さない場合など様々な選出パターンが考えられる。
戦績
第35回がにゅーオフ優勝
INC March 最終1796 国内13位 (37戦29勝8敗)
おわりに
がにゅーオフ当日にギリギリ完成させて向かったが環境に刺さっており、ラグラージとウォーグルの相性のよさを感じた
INCは2ROMで参加し、メインロムが下振れで爆死した一方、サブロムは運が悪くはなく(よくもなかった)順調に進めることができた。