使用パーティ
(ガブリアスのめざめるパワーのタイプはこおり)
構築経緯
今の全国ダブルの環境はリザドラン、ゲンガエン、サナガエンが中心だと考え、これらに強いポケモンを探すことにした。
(?) まず思いついたのはメガプテラである。以前使っていた【WCS2018】環境意識カポウルガ - カステラのザラメでは、メタグロス軸以外に対してはプテラをほぼ選出していたので、メタグロスの減少傾向は追い風だと考え、プテラキザンから組むことにした。しかし、カポウルガ以上の構築を思いつかず、また、ストーンエッジ持ちのランドロスが増えた今は使いづらいと感じ、没に。
(?) 次に思いついたのはクチート軸のトリパである。かいりきバサミによるいかく無効がメタグロス同様に強く、その辺のいわタイプの一致いわなだれよりも強力ないわなだれを持っており、その制圧力の高さを評価していた。だが、トリックルームへの依存度が高く、メガシンカ後にいかくをもらうとトリックルームターンがより容易に消費されてしまう点から没となった。
(?) 次はギガイアスを軸にした砂トリルスイッチを思いついた。ヘビーボンバー持ちのギガイアスが今の環境に刺さっていると考えた。いかくに強くトリックルームが使えるかちきゴチルゼルと組み合わせるのが強いだろうと思い構築していったが、結局ゴチルゼルが盤面にいたところでギガイアスがいかくに弱いことは変わらず、さらに、やりたいことが欲張りすぎて選出もまとまらなかったため、没。
(?) 続いてヒードランが強いと感じた。前回組んだウツロイドと同じく私の好きなポケモンの1匹なので最後にふさわしいと思った。しかし、ヒードランを中心とした構築を考えていくと、どうしても既存のリザドランやガルスタンに行き着き、これらはミラーの発生率が高くプレイングや一芸の勝負になりやすかったり、環境の中心であり特定のメタを張られることが多かったりすることが予想されるため没に。
ここまで色々と悩んだ結果、ほのお耐性と強力ないわ・じめん打点があり、S操作なしでも十分に動ける性能を持ち、いかくに強い特性のポケモンか特殊メインのポケモンが強いのではないかと考えた。この条件を満たしたポケモンが特殊メガガブリアスであった。バンギラスやメタグロス、ボーマンダといった他の600族メガシンカポケモンと比べて劣っていると思われがちだが、それらと同様に数値が高いポケモンなので単純に強い。
(?) ガブリアスはリザドランやゲンガエンに対しては強いポケモンであるが、サーナイトやカプ・レヒレが面倒であり、それらに強"そうな"カミツルギを採用していた。
この2匹が苦手なサンダーに強く、メガガブリアスの性能をより発揮させ、天候を奪える点などが強いバンギラスを採用した。ギガイアスを使っているときも感じていたが、砂という天候は定数ダメージがかなり強力で、圏内に入れ込むのにかなり役立つ。
(?)
あとはサポート性能の高さやタイプ相性などを考えていった上でバンガブIFKサンダーという並びができた。パーティ全体の数値も高く、強そうだという思いで試運転してみた。その結果、サナガエンにボコボコにされ、カミツルギはサナガエンに強くなく、むしろ弱いということが発覚した。カミツルギはDが低いためハイパーボイスに受け出しにくく、ガオガエンやサンダーに明確に弱いので当然といえば当然であった。パーティを練り直すことに。
バンギラスはガブリアスが苦手なサンダーやクレセリアに強く、すなのちからの発動も強いため続投しバンガブの状態からリスタート。改めてサーナイトやカプ・レヒレに強いポケモンを考える必要があった。サナガエンのテンプレはサナガエンサンダーランドレヒレバレルという形である。ここに強いポケモンを考えるために、色々なくさタイプを調べてみた。その中で見つけたポケモンがジュナイパーであった。カミツルギにはない高い特殊耐久やじめん耐性を持っており、サーナイトに対しても有効な打点を持っている。持ち前の耐久と耐性でおいかぜによるS操作ができる点も優秀。さらに、このポケモンにはかげぬいという強力な専用技を持っているのが非常に偉い。これは当てたポケモンの交代をロックする、技版のかげふみのようなものである。攻撃面で有利なサーナイトやカプ・レヒレはジュナイパー自身で殴っていくことができ、耐性面で有利なランドロス(はたきおとす持ちは少ないので除く)やサンダー、モロバレルに対してはかげぬいで交代をロックすることで、バンギラスやガブリアスでの処理を容易に行うことができる。かげぬいに受け出してきたガオガエンの交代をロックすればとんぼがえりこそできるものの素引きという選択肢を減らすことができるのも強力。また、ゴーストタイプであるため、ねこだまし無効でおいかぜを展開できたり、相手のかげふみを無効にできるのも強い。
ジュナイパーをサポートする上でも、バンガブを動かしやすくするためにも、ねこだましやいかくは必要だと思い、ここまでで面倒なじめん耐性があるくさタイプに強いということでガオガエンを採用。弱い理由がないので強い。
残る2枠に求める条件は、浮いていてランドロスに何かできる、ジャラランガに強いフェアリー、ジュナイパーだけでは不安なサーナイトやカプ・レヒレ、カプ・テテフに強い、S操作なしだと辛そうなメタグロスに強いということであった。これらを満たす組み合わせとしてカプ・コケコとテッカグヤを採用。すばやさが高いカプ・コケコはここまででパーティ全体が中速であるという点でも相性が良く、テッカグヤは苦手なほのお・でんきタイプに対して、かげぬいロックを絡めつつ、バンギラスやガブリアスを使って処理していくことで、その詰め性能を発揮できるという点で相性が良い。
個別解説
性格:いじっぱり
努力値:H156 A236 B36 D12 S68
実数値:195-202-135-x-122-90
技構成:いわなだれ/かみくだく/れいとうパンチ/まもる
特性:すなおこし
A:A+1かみくだく+砂ダメ1回で175-85メガサーナイトを高乱1(87.5%)
B:A197メガメタグロスのアイアンヘッドを高乱数耐え(81.3%)
D:砂下でC158トリトドンのだいちのちからZ高乱数耐え(81.3%)
S:おいかぜ下最速110族抜き
砂下では禁伝クラスの数値お化け。
砂の展開や、サンダーやクレセリアに強いというところがガブリアスと相性がよく、また、すなあらしの定数ダメージがかなり強力。
持ち物は対サーナイトにおいて役立ちそうだと考えてじゃくてんほけん。今の環境はガオガエンとランドロスの2枚威嚇が蔓延しているので、能力下降を解除できるじゃくてんほけんは強い。能力が上がると交代しにくい気持ちになるが、ちゃんと交代することも大切。
技構成は役割を遂行するために一致技のいわなだれ、かみくだくは確定で、残りにランドロスに通すためのれいとうパンチを採用。ロックカットの採用も考えたが、ロックカットを1ターンかけて積むと、その後いかくを回されるだけだと思い、採用には至らなかった。
性格:ひかえめ
努力値:H108 B4 C252 D4 S140
実数値:メガ前197-135-116-145-106-140
メガ後197-171-136-189-116-130
技構成:だいちのちから/いわなだれ/めざめるパワーこおり/まもる
特性:さめはだ→すなのちから
A:砂下ダブルいわなだれで砂ダメ1回込み197-106サンダーを高乱2(90.6%)
153-98メガリザードンYをダブルいわなだれで高乱1(75%)
B:A194メガボーマンダ(Paul調整)のA+1すてみタックル高乱数耐え(75%)
A204バンギラスのれいとうパンチ高乱数耐え(87.5%)
C:砂下だいちのちからで200-129ガオガエンを高乱1(81.2%)
砂ダメ1回込みで200-132まで確定
砂下だいちのちからで151-83までのカミツルギを確1
砂下だいちのちからで177-151カプ・レヒレを砂ダメ1回込みで確2
めざめるパワーで175-104ランドロス(C200テテフのフィールドサイキネ耐え)を中高乱1(68.7%)
D:C217メガサーナイトのダブルハイパーボイス高乱数耐え(87.5%)
C182カプ・テテフのムーンフォース高乱数耐え(87.5%)
C139クレセリアのれいとうビーム確定耐え
S:準速ヒードラン抜き
メガ前最速75族抜き
ランドロスと違って、いかくできなかったり浮いていなかったりフェアリー弱点だったりとんぼがえりできなかったりするが、ほのお耐性やいわ耐性の有無、700族ならではの火力と耐久の高さ、キリキザンに強い点などで十分に勝っている。
技構成について、メインウェポンでガオガエンをワンパンできるだいちのちからは確定。対リザードンやサンダーで使え、範囲技で便利ないわなだれも確定でいいだろう。
技構成の残りの候補として、めざめるパワーやりゅうせいぐん、アイアンヘッドが挙がる。めざめるパワーは本来ガブリアスが打点を持たずに誘うランドロスに対して強く出られる。アイアンヘッドは性格をおっとりにすれば、すなのちから補正込みで175-85メガサーナイトを確1にできる。りゅうせいぐんは一致技の最高打点であり、じめん技との範囲が広く、ジャラランガにも撃てる。
これらの候補の中で、アイアンヘッドはいかくを刺されると倒せない点やハイパーボイスを耐えるとはいえメガサーナイトにSは負けているためS操作が欲しくなる点から没。りゅうせいぐんはミストフィールドを貼られると使いづらい点やCが下がってしまうとその後の展開が難しくなることから没。ガエンランドのサイクルに強くなるめざめるパワーを選択した。
性格は耐久を落とさないひかえめか、いわなだれの火力を上げるおっとりの2択だと思うが、いわなだれを撃つ機会よりも相手の物理技をもらうことのほうが多かったため、ひかえめでの採用。アイアンヘッドを使いたい場合はおっとり。
特性はさめはだとすながくれの2つがあるが、すながくれは砂下であれば技回避によるワンチャンスがあるのに対して、さめはだは明確な勝ち筋を追うことができる。それぞれに利点があるが、見える勝ち筋の方がよかったため、さめはだで採用した。
基本的にメガシンカしないと火力も耐久も不安なのでメガシンカして戦っていくが、メガシンカしなければ最速75族(おもにドーブル)の上を取れるということは覚えておくといいかもしれない。
ジュナイパー@マゴのみ
性格:しんちょう
努力値:H244 A4 B116 D60 S84
実数値:184-128-110-x-140-101
技構成:かげぬい/リーフブレード/おいかぜ/まもる
特性:しんりょく
H:4n
A:A-1かげぬいで175-88までのメガサーナイトを確2
リーフブレードで177-149までのカプ・レヒレを確2
B:A197メガメタグロスのフィールドしねんのずつき最高乱数以外耐え
A197メガメタグロスのれいとうパンチでマゴ高乱数で発動(81.3%)
A233カミツルギのはたきおとす最高乱数以外耐え
D:C217メガサーナイトダブルハイパーボイス+サイコショック高乱数耐え(91%)
C211メガリザードンYの晴れなしかえんほうしゃ確定耐え
C158トリトドンのれいとうビーム最高乱数2連以外耐え
C244メガゲンガーのシャドーボール高乱数耐え(87.5%)
S:おいかぜ下最速130族抜き
技構成はこれで完結しているだろう。かげぬいロックを維持するためにも、まもるはメガゲンガー同様に必須。
調整に関して、元々はいじっぱりで、かげぬいでH振りサーナイトを倒せるぐらいに火力に割いて使っていたが、いかくを刺されるとその調整が崩れる点や、かげぬいロックの維持、おいかぜの展開などを考えると耐久に振った方が強いと考え、このような調整になった。
このポケモンの強みは構築経緯にて記載したので、ここでは省略する。
ガオガエン@バンジのみ
性格:いじっぱり
努力値:H236 A36 B4 D148 S84
実数値:200-154-111-x-129-91
技構成:フレアドライブ/とんぼがえり/ねこだまし/まもる
特性:いかく
H:4n
A:11n
B:A197メガメタグロスのA-1じだんだ高乱数2耐え(89.1%)
D:C147カプ・コケコのフィールド10まんボルトZ確定耐え
S:おいかぜ下最速110族抜き調整(実数値90)抜き(=自分のバンギラス+1)
いつものポケモン。
今回の構築にはバンギラスがいてガオガエンのあく打点がそれほど必要ではなく、バークアウトもこの構築には合わないと判断して、 まもるを採用。ガオガエンのまもるはあまり警戒されない技で、まもるなし想定でガオガエン方向へZワザが撃ち得になる状況が割とあるが、それを防いだりするのは強力。また、ガオガエン方向へのとんぼがえりやボルトチェンジもよくされるが、これらを防いで横で処理することなどもできる。
バンギラスよりもSを上に設定することで、とんぼがえりを味方のバンギラスに撃ち、じゃくてんほけんを発動させて立ち回ることができる。ただし、おいかぜを展開してガオガエンで殴ることも考え火力重視の調整となっているので、とんぼがえりで3割以上削ってしまうのは注意。
テッカグヤ@たべのこし
性格:しんちょう
努力値:H244 D244 S20
実数値:203-121-123-x-167-84
技構成:ヘビーボンバー/やどりぎのタネ/ワイドガード/まもる
特性:ビーストブースト
D:D+1でC147カプ・コケコのフィールド10まんボルトZ高乱数耐え(87.5%)
C194サンダーのまもる貫通10まんボルトZ+10まんボルト確定耐え
S:おいかぜ下最速100族抜き
あまり見かけなくなった要塞ポケモン。
この構築の勝ち筋の一つにもなり、バンガブやかげぬいとの相性のよさが光る。
ワイドガードの枠はかえんほうしゃとの選択で、カミツルギやカビゴンを重く見るならかえんほうしゃだが、メガサーナイトやランドロスへの味方の行動保証を重視してワイドガードを採用した。ほのお技がねっぷうのみのリザードンやヒードランにはやどりぎのタネさえ刺すことができればワイドガードで勝つことができる。
Dを上げれば弱点であっても勝てるので、おいかぜ下で最速100族は抜いておくと便利。
カプ・コケコ@デンキZ
性格:おくびょう
努力値:C252 D4 S252
実数値:145-x-105-147-96-200
技構成:10まんボルト/ボルトチェンジ/マジカルシャイン/まもる
特性:エレキメイカー
C:定数ダメージや受け出しで崩れたデンキZ耐え調整を倒しやすくするぶっぱ
S:同族意識最速
高速高火力ポケモン。
普段はカプ・コケコにも調整を施すが、今回は砂ダメージややどりぎのタネで相手のデンキZ耐え調整が崩れる点からCに振り切り、Sも耐久ラインが変えられるほどには削れないためCSぶっぱ。
技構成も特に言うことはない。サイクルを回したいのでボルトチェンジを採用。ガエンコケコの並びでガエンバック、コケコボルチェンでガエンを再び出す動きが強かった。
選出
誰を通していくか、おいかぜは必要か、テッカグヤで詰めるかなどを考えながら選出していく。特別決まった選出はないが、@1の出し方が多かった。
戦績
第9回鉄輪オフ優勝
第2回ななすけ杯9-0
おわりに
7世代最後のオフを優勝で終えることができて満足している。8世代でも色々なポケモンの可能性を考えながら構築を組み、結果を出したいと思う。