使用パーティ
構築経緯
INC Februaryが終わったばかりの時期、サークルの先輩が「HDネクロのトリルでゲンシグラウェイ」「ウルネク、ゲンシ、メガを基本選出にしたいがうまく組めない」と言っており、強そうだと感じて構築を組み始めた。
まず、ゲンシカイキをどちらにするかだが、カイオーガは対グラードンで天候操作をする必要があり、水技を打てないターンが少なからず存在し、ガオガエンなどの処理速度が遅れる可能性があるためグラードンを選択。このパーティでのゲンシカイキの一番の必要性はネクロズマの苦手とするガオガエンに明らかな有利を取れるところと言っても過言ではない。
次にネクロズマを日食・月食どちらにするか。グラードンがあまり得意でないネクロズマやルナアーラに打点を持て、弱点数が少ないことを評価し、月食を選択した。日食はゼルネアスやレックウザに対してトリックルームを安定して貼れる点は強いのだが、ウルトラバースト前は物理にしようと特殊にしようと、いかくまで考えると火力が低い点、グラゼルネに対してウルトラバーストするタイミングがシビアな点が扱いづらそうだと感じた。あとは月食のトリックルームが日食に比べると多少読まれにくい。
次にメガシンカの枠を考える。ルナアーラに強く、火力もあり、ねこだましによるサポート性能が高いメガガルーラを採用。また、いかく枠であり、グラードンに強く、メガレックウザの上を取れ、おいかぜもできるメガボーマンダも自然と採用された。2メガの方が想定している基本選出を行いやすいだろうと考えてのことだった。
グラードンを軸にする上でカイオーガに盤面を整えられるだけで負けると弱いので、みず技に対して安定して繰り出すことができるポケモンが必要だとグラ構築を作るときには考えている。さらに、現状イベルタルも重いため、みず耐性の枠としてカプ・レヒレを入れた。耐性だけでなくS操作、削り、催眠耐性などこのパーティに必要な要素を兼ね備えている。
最後の枠には2枚目のトリックルーム要員であり、ゼルネアスやレックウザに強いツンデツンデを採用。がにゅーオフの決勝を見てくれた方には対ゼルネレックでの強さが分かると思う。
この6匹でしばらく回していて、ガルーラとボーマンダを同時選出したい場面があったり、ガルーラがルナアーラに対してフィールドサイコショックで大きく削られるため安定して交代で出せなかったり、そもそもガルーラをそれほど選出しなかったことから、ガルーラの枠を変更することを考えた。
まず候補として挙がるのはガオガエンである。しかし、ガオガエンを入れるとネクロズマがだいちのちからを持っていた際にそのネクロズマへの役割をこちらのネクロズマがほぼ一任することになり、トリックルームを展開したりして削られていく以上安定性に欠けると思った。また、ガオガエンはそれほど高い火力があるポケモンではないため、このパーティで大事な削りを行うことはできない。
そこで、ズルズキンを採用した。いかりのまえばで削りを行える点、あらゆるネクロズマに有利な点、処理が遅れると面倒なガオガエンに対して強い点など、このパーティに適任なポケモンだろう。フェアリーひこう弱点が気になることもあるが、うまく回せば問題ない。
余談だが、カプ・レヒレへの遂行速度を上げたり水ヌケニンにネクロズマ以外が有効打を持つためにダーテングを採用したりしたがズルズキンの汎用性に敵わなかったため没となった。ダーテング自体はワンチャンあると思う。
個別解説
グラードン@べにいろのたま
性格:しんちょう
努力値:H220 A92 B4 D180 S12
実数値:203-212-181-x-146-112
技構成:ほのおのパンチ/だんがいのつるぎ/つるぎのまい/まもる
特性:おわりのだいち
A:A+2じゅうりょくダブルだんがいのつるぎで181-120メガレックウザを最低乱数以外一発
晴れほのおのパンチでA232メガレックウザのハチマキガリョウテンセイ確定耐えゼルネアスを高乱数2発(相手の努力値次第だが最低でも80%~の乱数)
B:A232メガレックウザのA+2ガリョウテンセイ最高乱数以外耐え
D:C183ゼルネアスのC+2ムーンフォースを高乱数2耐え(91.1%)
C220ウルトラネクロズマのウルトラネクロZ確定耐え
S:S-1最速100族(準速115族)抜き
おいかぜ下準速スカーフ97族抜き
このパーティの中では火力がある方のポケモン。選出しないことはほとんどない。
つるぎのまいの枠はじならしやじだんだ、がんせきふうじ、いわなだれと試したがいかく回されて腐ることが割とあるのでつるぎのまいで安定だと思う。おいかぜやトリックルームが切れるタイミングや相手がまもりながら交代するタイミングで積むことが多い。
つるぎのまいしてじゅうりょくしてイージーウィンするのが一番気持ちがよい。
性格:なまいき
努力値:H244 B52 C20 D188 S個体値25 あまり4
実数値:月食 203-x-136-180-188-84
ウルトラ 203-x-124-190-155-131
技構成:シャドーレイ/フォトンゲイザー/トリックルーム/まもる
特性:プリズムアーマー→ブレインフォース
月食時
B:A232メガレックウザのハチマキガリョウテンセイ最高乱数以外耐え
A147ガルーラのねこだまし+A177メガガルーラのおやこあいかみくだく高乱数耐え
C:シャドーレイで173-117ウルトラネクロズマを確1
D:C189のルナアーラのシャドーレイ最高乱数以外耐え
C255ゲンシカイオーガの雨なし(エアロック/デルタストリーム)しおふき超高乱数2耐え(99.7%)
S:最遅90族-1
おいかぜ下最速100族(準速115族)抜き
ウルトラ時
B:A194メガガルーラのおやこあいねこだまし+すてみタックル高乱数耐え
C:フォトンゲイザーで181-120メガレックウザを超高乱数2発(99.61%)
ウルトラネクロZで181-120メガレックウザを最低乱数以外一発
D:C147カプ・コケコのマジカルシャインZ最高乱数以外耐え
C183ゼルネアスのオーラムーンフォース確定耐え
C219ウルトラネクロズマのりゅうのはどう確定耐え
C172メガボーマンダのりゅうせいぐん確定耐え
S:S-1最速126族抜き
すごくかたいポケモン。へたな集中攻撃ぐらいなら耐えるため安定してトリックルームを展開していける。
耐性が付与されることやSの逆転、次ターンのZワザ使用などを意識してウルトラバーストするか月食で戦うかを決める。日食に比べるとタイミングが分かりやすいと思う。
すばやさは月食時にトリックルーム下でグラカイの上を確実に取るために最遅90族-1。なお、ウルトラ時こごえるかぜを刺しても相手の最速のウルトラネクロズマを抜けないので注意。
性格:しんちょう
努力値:H244 A76 B68 D92 S28
実数値:171-120-144-x-161-82
技構成:イカサマ/けたぐり/いかりのまえば/ねこだまし
特性:いかく
A:けたぐりで202-111ガオガエンを確2
B:A232メガレックウザのA-1ガリョウテンセイ最高乱数以外耐え
D:C161カプ・レヒレのムーンフォース最高乱数以外耐え
C183イベルタルのデスウイング確定2耐え
S:4振り60族抜き
最遅90族-3
おいかぜ下で最速97族抜き
あまり見かけないが十分なスペックを持ったポケモン。
一致けたぐり、イカサマ、いかりのまえばなど弱点以外にもガオガエンとの違いが多々ある。何と言ってもいかりのまえばが優秀で、パーティの足りない火力を補うことができる。イカサマは一見いかく2枚で相性が悪そうだが、ズルズキンの火力が低い上に相手からもいかくを受ける点と伝説枠の火力の高さから強いあく技だと思う。
カプ・レヒレ@ウイのみ
性格:ずぶとい
努力値:H244 B52 C148 D4 S60
実数値:176-x-156-134-151-113
技構成:しぜんのいかり/ムーンフォース/じゅうりょく/こごえるかぜ
特性:ミストメイカー
H:4n
B:A232メガレックウザのハチマキガリョウテンセイ最高乱数以外耐え
A232ゲンシグラードンのダブルだんがいのつるぎ超高乱数2耐え(96.9%)
C:ムーンフォースでD-1の181-120メガレックウザを確1
D:C147カプ・コケコのフィールド10まんボルト最高乱数以外耐え
C222メガゲンガーのヘドロばくだん高乱数耐え(87.5%)
S:自分のグラードン+1
汎用性の高いポケモン。
基本的にカプ・レヒレはDに補正をかけてゼルネアスのC+2ムーンフォースを耐えるものが多いが、今回はカイオーガ軸に出すということでレックウザを強く意識した調整となっている。
ムーンフォースはレックウザやイベルタルに対しての打点であったり、相手をつつくために活躍する。何かと便利。
グラードンにじならしやじだんだを採用していたときはじゅうりょくを切っていたが、じゅうりょく使ってしぜんのいかりやだんがいのつるぎ撃つのが単純に強い。
ツンデツンデ@シュカのみ
性格:ゆうかん
努力値:H244 A68 D196
実数値:167-176-231-x-146-16
技構成:ジャイロボール/いわなだれ/トリックルーム/まもる
特性:ビーストブースト
A:11n, ジャイロボールでA255メガレックウザのハチマキガリョウテンセイ最高乱数以外耐えゼルネアス(213-144)を高乱数1発(81.3%)
ジャイロボールでB-1の181-120メガレックウザを確1
D:C189ルナアーラのルナアーラZ高乱数耐え(81.3%)
C202ゲンシグラードンのだいちのちから最高乱数以外耐え
C232メガレックウザのいのちのたまだいちのちから確定耐え
S:最遅
ゼルネレックに強い2枚目のトリックルーム要員。
ジャイロボール、トリックルームは確定、まもるもZ透かしや盤面を整えるために欲しい。変更するとすればいわなだれの枠で、ストーンエッジやじゅうりょくなどにするのもあり・・・かもしれない。
最初はなまいきで使っていたが、ゼルネアスにジャイロボールを耐えられることがあったのでゆうかんにした。なまいきなら2耐えできていたという場面もあるが、ゼルネアスをほぼ確実に倒せる点が優秀だった。
性格:せっかち
努力値:A132 C124 S252
実数値:メガ前170-172-90-146-100-167
メガ後170-182-135-156-110-189
技構成:ハイパーボイス/すてみタックル/おいかぜ/まもる
特性:いかく→スカイスキン
A:すてみタックルでA255メガレックウザのハチマキガリョウテンセイ最高乱数以外耐えゼルネアス(213-144)を高乱数2発(94.1%)
S:ミラー意識最速
つよいメガシンカポケモン。
このパーティで唯一浮いていたり、火力もあったり、おいかぜできたりで便利なことが多い。ただし、相手がおいかぜを使って、こちらがトリックルームを展開した場合以外はトリックルーム下で動かすのが難しい。
D振りで使ってみたりしたが、パーティ全体のパワーが低くなりすぎる点が気になったのでACに振り分けた。
選出
◎基本選出
先発:+ororor
後発:+自由
全然絞られていないが、多かった選出パターン。
ズルズキンから出す場合はねこだまし+トリックルームを展開したいときで、他の選出パターンは相手の先発に応じてどのポケモンでS操作をするか考えていく。ズルズキンを裏から出してルナアーラのZを透かしたり、ツンデツンデとネクロズマを並べてツンデツンデでトリックルームをするように見せてネクロズマから展開するなど器用に立ち回る必要がある。
ネクロズマを選出しないこともそれなりにあった。
戦績
第39回がにゅーオフ全勝優勝
おわりに
JCS予選で使わなかった理由はだんがいのつるぎを素で撃つ場面が必ずある点、カプ・レヒレの処理速度がやや遅く仕事される点、ルナアーラやイベルタルが増えると予想した点など。また、択が発生しやすいという点もJCS予選で使う上では気になっていた。
実際のJCS予選ではトリックルームを日食ネクロズマで展開するグラネクロが結果を残していて何が正解か難しいゲームだと感じた。
少しでもこの記事が本戦に進んだ人の参考になれば幸いである。