使用パーティ
構築経緯
私は6月末から暫くの間リザードンを軸にしたパーティを色々と考察していたが、環境に適応させることができず限界を感じた。そこで、使い慣れていて環境にも刺さりやすい雨パを組もうと考えた。
ラグウォーグルを使っていたときはガオガエンとめざ炎コケコでどうにかなるぐらいカミツルギが少なかったが、今はTOP10内に常にいるぐらい数を増やしている。つまり、カミツルギに強い雨パを組む必要があった。最初はウォーグルの枠にねっぷうトルネロスを入れて使ってみたが、まけんきがないのでラグラージにいかくを重ねられて負ける試合が多かった。カミツルギを上から縛れるポケモン、いかくに強いポケモン、雨始動要員を入れるとなると構築を上手く組むことはできず、求める構築で物理を主体とするラグラージを雨エースにするのは難しかった。
BO3ではプレイングでケアがしやすいサイクルを回せる構築が強いと考えていた。そしてメガシンカ枠として候補に挙がったのがライボルトである。ライボルトはメガシンカをすればカミツルギの上からほのお技を打て、メガゲンガーの上からボルトチェンジやバークアウトができるため、流行ると予想されたゲンガー+IFKに強く、その他リザードンやメタグロス、ボーマンダにも比較的有利に動かせる。ひらいしんも雨パとは相性が良い。
雨始動要員はサイクルを回すならば耐久が信用できるニョロトノにすることは確定。雨エースを誰にするかが問題だった。ライボルトと組むのだから積み技を使うのもありかとニョロボンやサクラビスなども考えたりしたが容易に止まる姿が想像できたので没に。全抜きを狙うよりもやはりサイクルを回せる構築にすべきだと考えた。耐久があり耐性優秀でサイクルを回せて、雨エースとしての火力もあるポケモン…そう、マンタインである。マンタインはすいすいポケモンの中で唯一回復技を覚えるのでサイクルに特化した動きもできる。
次に、回して削った相手を全抜きできるカミツルギを採用した。しかし、耐久のなさからカミツルギがサイクルに入ることはできず、3体で回すのは中々厳しかった。でんき耐性を残りの2枠で付与するのも難しかったので、耐久値が高く、やどりぎのタネという優秀な技を覚えるナットレイへと変更。
トリルやおいかぜなどあらゆる展開の処理をしやすくするためガオガエンを入れた。ライボルトだけでは不安なほのお打点を確保し、エスパー無効で、いかくとねこだましができて、とんぼがえりでサイクルも回せるので最適だろう。
最後の1枠にはジャラランガが重かったのでフェアリータイプが欲しかった。パーティ全体で火力がひかえめなので火力が高く、また、重くなりがちなモロバレルに強いポケモンとしてカプ・テテフを採用して完成。
それぞれのポケモンについては個別に解説する。
個別解説
性格:おくびょう
努力値:H188 B12 C12 D44 S252
実数値:メガ前169-x-82-127-86-172
メガ後169-x-102-157-106-205
技構成:ボルトチェンジ/オーバーヒート/バークアウト/まもる
特性:ひらいしん→いかく
B：A197メガメタグロスのじだんだ最高乱数以外耐え
C：ボルトチェンジで176-151カプ・レヒレを高乱2(91.4%)（ダブルバークアウト込みで確定）
メガ前の雨オーバーヒートで148-83までのカミツルギ確1
オーバーヒート+C-2オーバーヒートで169-131メガメタグロスを確定
D：C200カプ・テテフのフィールドサイコキネシス最高乱数以外耐え
C154カプ・レヒレのだくりゅうZ最高乱数以外耐え
S：最速、メガ前最速ウツロイド抜き抜き(特にカミツルギ意識)
メガ後おいかぜ下の大抵のガオガエン抜き(おいかぜ下最速130族抜きガオガエンを抜く程度の102想定)
このパーティの中心となるポケモン。
ゲンガー+IFKに強く、他のメジャーなメガシンカにも有利に動かしていける点で強い。ただし、相手にでんき技を使うポケモンやまけんき・かちきがいるとどのタイミングでメガシンカするかが重要になる。
ほのお技に最初はかえんほうしゃを採用していたが、雨下のD振りのカミツルギに対して怪しい乱数になり、他の鋼ポケモン等への打点としても優秀なオーバーヒートへと変更した。本戦でカミツルギにオーバーヒートを外して負けた試合があったが、雨下だったのでかえんほうしゃでも落ちてないと考えると仕方がない。
バークアウトは積むポケモンこそいないが、最終的な詰めや、横のポケモンへの縛りを解除する際に役に立った。
ひらいしんやいかく、オーバーヒートだけでなく、マンタインの耐久が高いのでライボマンタと並べてボルトチェンジからニョロトノに繋いで雨を降らせて下から攻撃する余裕があるなど、マンタインとの相性がよい。
性格:おくびょう
努力値:H60 B4 C196 D12 S236
実数値:153-x-96-175-137-159
技構成:サイコキネシス/ムーンフォース/ちょうはつ/まもる
特性:サイコメイカー
B：A182カプ・ブルルのA-1フィールドウッドハンマー確定耐え(A±0フィールドなしは93.7%耐え)
C：フィールドorてだすけ込みのサイコキネシスZで176-151カプ・レヒレを高乱数1(81.3%)
フィールドなしサイコキネシスZで149-116カプ・ブルル確1
D：C179ウツロイドのヘドロばくだんを高乱数耐え(87.5%)
S：最速霊獣ランドロス抜き抜き
このパーティで貴重な火力の高いポケモン。
ちょうはつやサイコフィールドで相手の展開を阻止しやすいので評価が高い。その代わり、サイクルを回すことに向いておらず、対面性能に特化している。なので序盤の削りや終盤の掃除役を担う。
1戦目にカプ・テテフは選出せずマンタインでZワザを使うことで、2戦目にエスパーZを警戒されにくくするなど、2Z特有の動きが強かった。
ニョロトノ＠だっしゅつボタン
性格:おだやか
努力値:H252 B164 C76 D4 S12
実数値:197-x-116-120-133-92
技構成:ねっとう/ほろびのうた/てだすけ/まもる
特性:あめふらし
B：A197ランドロスのじしんZ高乱数耐え(81.3%)
C：雨ねっとうで165-100ランドロス確1、202-110チョッキガオガエン確2
D：C147カプ・コケコのフィールド10まんボルト高乱数耐え(87.5%)
S：実数値90(おいかぜ下で最速111族抜き)抜き抜き
ラグウォーグルで使った調整とほとんど同じ調整。
だっしゅつボタンを持たせることで、ボルトチェンジからニョロトノを出し、雨を降らせて脱出し、有利対面を作っていくことができる。かげふみに対しても有効にはたらき、不利な盤面を作られることを許さない。さらに、とんぼがえりに合わせて受け出すことで自分だけ脱出し、相手は交代できない状況を作ることもできる。
技構成だが、だっしゅつボタンが発動する前にパーティ内の火力を補えるてだすけは確定だろう。ほろびのうたの枠について、最初はラグウォーグルのままくろいきりを入れていたが、あまりに使うことがなかったので、残数有利な状況やモロバレルナットレイ対面など不毛な対面で使えるほろびのうたを採用。このパーティと相性がよく、勝ち筋として強力だった。
また、サイクルを回す雨パということで、ターン消費や相手に天候を奪われて雨が切れたとしても再度展開ができる点も優秀。
マンタイン＠ミズZ
性格:ひかえめ
努力値:H116 B60 C188 D4 S140
実数値:175-x-98-136-161-108
技構成:ハイドロポンプ/どくどく/はねやすめ/まもる
特性:すいすい
H：16n-1
B：A197メガメタグロスのれいとうパンチ超高乱数2耐え(98.8%)
A222メガラグラージの雨たきのぼり高乱数2耐え(98.1%) （A-1であれば88.3%の高乱数3耐え）
A204バンギラスのダブルいわなだれ+砂ダメージ最高乱数以外耐え
C：200-129ガオガエンを雨ハイドロポンプで確1
159-132メガメタグロスを雨ハイドロポンプZで確1
D：C179ウツロイドのC+1パワージェム高乱数耐え(87.5%)
C233メガゲンガーのヘドロばくだん超高乱数2耐え(98.8%)（ここでは毒は考慮しない）
C170までのC-1サンダーの10まんボルトを確定耐え
S：準速スカーフランドロス抜き
この構築のエースにして終盤で詰めの役割も担える。
耐性と高いD耐久、回復技だけでなく、雨やZワザで火力を出すこともできるので、上記のようなことができる。
みず技に関して、ねっとうでは火力が足りない点とBO3なので1度や2度の外しならカバーできる点からハイドロポンプを採用。と言いながら大事な場面では一度も外さなかったので本当に偉かった。ひこうタイプであるがぼうふうを覚えず、最高打点がエアスラッシュと火力が足りないのでひこう技は採用するに至らなかった。ぼうふうを覚えたらより強くなると思う。ちなみにエアスラッシュでモロバレル確定3発。
どくどくは、高耐久なポケモンや面倒なポケモンに対して使う。単体での毒羽はもちろん、ナットレイなど他のポケモンで詰める際にも使える。
相手がマンタインのすいすいを知らないおかげでアドバンテージを得た試合もあった。
ガオガエン＠フィラのみ
性格:ゆうかん
努力値:H236 A124 B12 D132 あまり4
実数値:200-166-112-x-127-58
技構成:フレアドライブ/はたきおとす/とんぼがえり/ねこだまし
特性:いかく
H：8n
A：雨フレアドライブで156-151までのカミツルギを高乱数1発(87.5%)以上
持ち物有はたきおとす+持ち物無はたきおとすで227-140クレセリアを高乱数1発（90.6%)
B：A197メガメタグロスのA±0アームハンマー高乱数耐え(87.5%)
D：C147カプ・コケコのフィールド10まんボルトZ最高乱数以外耐え
S：最遅
便利屋ポケモン。
基本的にこのパーティでは先発に出さないので相手のガオガエンとのねこだましの打ち合いは発生しづらい、後攻でとんぼがえりを打ちたい、バンギラスとのS関係を明確にしたいということで最遅。雨下でもカミツルギを倒せるようにAに厚く振っている。
けたぐりをはたきおとすの枠に入れてバンギラスに打とうかと思ったが、1/2回復実をはたけばサイクルで有利を取りやすくなるので、けたぐりは採用しなかった。
ナットレイ＠ウイのみ
性格:ゆうかん
努力値:H212 A204 D92
実数値:176-154-151-x-148-22
技構成:ジャイロボール/パワーウィップ/やどりぎのタネ/まもる
特性:てつのトゲ
H:4n
A:11n,やどりぎのタネ+パワーウィップで177-135カプ・レヒレ確1
207-130 (S124)バンギラスをジャイロボールで高乱1(81.3%)
B:A216ランドロスのじしんZ確定耐え
D:C156ルンパッパの雨ハイドロポンプZ+C161ペリッパーのぼうふう超高乱数耐え、木の実ほぼ確定で発動
どの選出でもダウンロードでAが上昇(ライボルト+ナットレイのとき合計値がB233 D234)
S:最遅
ラグウォーグルで使った個体をそのまま使用。マンタインとの相性補完が優秀。
やどりぎのタネを刺して他のポケモンにタネを受け継ぐ回し方も中々強かった。
ナットレイの詰め性能はやはり高く、サンダーの雨ダブルねっぷう程度なら確定3発以下に抑えられるので、やどりぎのタネや毒などを絡めて十分に対処できる。
立ち回りと選出
このパーティでは主に、序盤から中盤にかけてはカプ・テテフ以外を用いてサイクルを回しながら相手を削っていくか、カプ・テテフやマンタインの火力で残数の有利を取っていく。終盤ではSの高いポケモンで削りきるか、タイプ有利な耐久値の高いポケモンで詰めていく。ゲームプランを考えることが重要になる。
◎基本選出1
先発:
後発:+or
最も多かった選出。主にボルトチェンジからの雨展開かサイクルを回していく。
ナットレイかマンタインで詰めるのが最終的な勝ち筋になりやすい。
◎基本選出2
先発:
+or 後発:残りから
先発のカプ・テテフやマンタインで大きく削って裏のポケモンで詰めていく。
カプ・テテフが通せそうなときにはライボルトを出すことが多い。
マンタインを出す場合にニョロトノを出すとは限らず、逆もまた然り。
戦績
最終戦績6-3（3-3ドロップ）
1R 
×○○
2R 
×○○
3R 
××
4R 
○○
5R 
○××
6R 
××
7R 
×○○
8R 
○○
9R ○○
おわりに
ライボ+ラランテスウォーグルやリザデマル+瞑想フェアリーZレヒレ+太鼓カビは構築的にきついものがあったが、ゲンガー軸を落としたのはオバヒ外しがあったとはいえプレイングの甘さが引き起こしたことだと思っており、実力不足だと感じた。
また世界大会に行き、次はよりよい戦績を残せるように努力していきたい。
