カステラのザラメ

あると嬉しいね

【ダブル・レギュF】一撃デカウーラ

構築経緯

環境への強さ

わかりやすく強い構築としてカミウーラガチキリンが存在する。攻撃性能が非常に高く、先制技で倒そうにもテイルアーマーによって防がれてしまう。その対策についてタイムライン上で話題を見かけたところ、デカヌチャンの名前が挙がっていた(あまりポジティブではなかったが)。そこで、このポケモンについて考えてみることにした。何と言ってもかたやぶりによるねこだましが強力で、テイルアーマー貫通だけでなく、せいしんりょくを無視できるためエンテイカイリューに対してもねこだまし可能である。また、タイプもはがね・フェアリーと最強格のタイプを有しており、カミウーラに対して強いと言える。

強い要素だけ挙げてきたが、弱い要素は他でもなく数値不足。特殊耐久はまあまあだが、火力はデカハンマー依存なのでそれ以外の火力は本当に低い。デカハンマーははがね技であるため一貫性が低く、さらにブラッドムーン同様に守られると次のターン使えなくなってしまう。

デカヌチャンと並べて強いポケモン

デカヌチャンがねこだましやデカハンマーを使う都合上、守られるのが苦手なポケモンであることがわかる。そこで、こだわりハチマキウーラオスを並べることで、かたやぶりねこだまししながら1ターンで1匹持っていくことを考えた。当初はれんげきのかたを採用しようと考えていたが、オーガポン(いどのめん)がいるだけでインファイトで固定する必要があるのが気になり、ハチマキ一撃ウーラオスという一撃の名にふさわしいポケモンを使うことにした。

攻撃の補完が優秀であり、ウーラオスを受けるためにフェアリーテラスタルを切ればデカハンマーが抜群で通るようになる。

?基本選出?

デカヌチャン+ウーラオスを先発に置くとして、予選で勝つための明確な基本選出を考えたかった。ウーラオスにどくテラスタルを切る関係上、ランドロスに隙を見せすぎるので、裏に置くポケモンの1匹は地面無効がよいと当時は考えた。そこで、クレセリア+アカツキガチグマのトリックルームを裏から通す選出を基本とすることにした。デカウーラで1匹持っていき、ウーラオスクレセリアに交代。最速デカヌチャンでさきおくりしながらトリックルームを初見殺しで通そうと考えていた。

しかし、最速デカヌチャンより遅いポケモンが限られている点、ウーラオスがどくテラスタルを切っている以上あく技やゴースト技を誘いやすくクレセリアの交代出しが難しい点、デカヌチャンとクレセリアというサポート2匹が並んでいる状態が貧弱すぎる点、など課題が多く挙げられた。

耐性優秀なサポーター

クレセリアの課題として挙げられた、あく抜群というのは致命的だった。トリックルームやおいかぜを習得するポケモンを眺めているとエルフーンが目に留まった。両ウーラオスへの耐性に加えて、削れたウーラオスを縛ってくるタケルライコにも強く、後出し性能が非常に優秀。

また、デカヌチャンにさきおくりを採用する必要がなくなったので、課題として挙がったサポート2匹が並ぶような状況を避ける手段として、デカヌチャンにつるぎのまいを採用した。

原案

基本選出の3匹が決まったところで、おいかぜ下のエースを検討した。条件として、交代出しできる数値とタイプ、タイプ一致範囲技、交代出しするエルフーンが落とされた場合を考慮したS操作技を考えた。そこで、Cブーストするエレキネット採用タケルライコを思いついた。

エカシラやカミイーユイが面倒だったので、チョッキD振りガオガエンを採用し、汎用性が高そうなオーガポン(いどのめん)を入れて試運転をした。

割と勝ててはいたが、相手が上手い場合には寿司と化身ランドロスで詰んでしまった。

読まれず汎用性もある寿司対策

寿司対策ができながら、ドブベトンやてっぺきボディプレス等にも強くなれて読まれないくろいきりは予選では強力だと考えた。しかし、今のレギュFにおいてそれらの対策のためだけに1枠割くのは勿体なく、汎用性が求められた。

採用に至ったカイリューも当初はテラスタルやこだわりハチマキなどがないと活躍が難しいと考えていた。しかし、シングルバトルにおいていかさまダイスカイリューが活躍していることを思い出した。テラスタルがなくても威力100or125のタイプ一致技を使えるというのは強力で、さらにSを上げることでおいかぜミラーでも勝ちやすい。

浮いていることが化身ランドロスに対して地味にえらい。

カミイーユイ・イエカシラ対策ができるおいかぜエース

ガオガエンをカミユイやイエカシラの対策としてずっと使っていた。しかし、まけんきが面倒だったこともあり、同タイプで特殊耐久が高く、バークアウトの火力もあり、おいかぜエースとしても動かせるイーユイで解決するということに気づいた。タケルライコと違ってS操作技は採用できないが(チョッキで使いたいため)、エルフーンが交代出しで倒される展開にしなければ問題なかった。

化身ランドロスをどう倒すか

ここまで構築全体で化身ランドロスが重すぎる状態だった。また、イーユイを採用する関係上、特殊アタッカーが好ましかった。そこで、安全に交代できて上からこごえるかぜができるラティオスを採用してみた。

しかし、ウーラオスにテラスタルを切ることが多い都合上、テラスタルできないラティオスは本当に弱かった。さらに、ガオガエンが重くなってしまっていた。

結果を出した構築を見ていたところ、トルネロスクレセリアなどが入っている場合を除き、対面的にランドロスを倒すべきだということに気づいた。そこで、ガオガエンにも強くするためにみずタイプであるウネルミナモを採用。化身ランドロス入りには基本選出をやめた。安定したみず技によってガオガエンランドロスに打点を持つことができ、こだいかっせいによって柔軟に立ち回れる。ハイドロポンプを絶対に当てられるならテツノツツミで良い。

個別解説

デカヌチャン

テラスタイプ:みず
持ち物:ぼうじんゴーグル

性格:ようき
努力値:H244 A68 B4 D4 S188
実数値:191-104-98-x-126-151
技構成:デカハンマー/フェイント/つるぎのまい/ねこだまし
特性:かたやぶり
A:A+2デカハンマー+フェイントで175-121一撃ウーラオス確定
B:A200連撃ウーラオスの強化アイテムすいりゅうれんだ確定耐え
D:A200ウーラオスインファイト+C187ハバタクカミのメガネダブルマジカルシャイン超高乱数耐え
S:準速97族+2

構築の軸でこのゲームの歴史上唯一のかたやぶりねこだまし。左上に置くことで嫁ポケ感を出しているがTNスカーレットなので多分意味ない。

技構成は、採用理由であるねこだまし、火力を出すための「デカハンマー」、サポートだけじゃなくアタッカーになるためのつるぎのまいを採用。構築経緯に書いた通り、エルフーンと並んだときの弱さの解消に繋げている。

最後の枠には「まもる」を入れて試したりしたが、ウーラオスの攻撃含めて絶妙に残すことがあったので「フェイント」を採用。おいかぜ下の詰め筋として使える点も優秀だった。

もちものはぼうじんゴーグルにすることで、エルフーンと並べてモロバレルを起点にできるようにした。

テラスタイプははがねタイプと無難に相性がいい「みず」。あまり切ることはない。もちものとテラスタイプはカスタマイズできるところだと思う。

 

ウーラオス(いちげきのかた)

テラスタイプ:どく
持ち物:こだわりハチマキ
性格:いじっぱり

努力値:H204 A252 B4 D28 S20
実数値:201-200-121-x-84-120
技構成:あんこくきょうだ/ふいうち/インファイト/どくづき
特性:ふかしのこぶし
A:A-1インファイトガオガエンを倒したいので特化(202-135まで確1)
B:A189パオジアンのステラせいなるつるぎ最高乱数以外耐え
D:C177トルネロスのこがらしあらし高乱数耐え(81.3%)
 テラス時高乱数2耐え(87.2%)
 C205ブリジュラスのC+1エレクトロビーム確定耐え
S:S-1最速111族抜き(こごえるかぜが採用されていた名残)

一撃の名にふさわしく、相手にまもるすら許さず一撃で倒す。

技構成も特に触れることは無い。

もちものは採用時点で決めていた「こだわりハチマキ」インファイトで相手の無振り連撃ウーラオスが高乱数で飛ぶぐらいの火力。

テラスタイプは相性が良い「どく」。フェアリーとかくとうに耐性があるのが強く、耐久振りにすることで数回相手の攻撃を耐えて返すことが可能になる。

 

エルフーン

テラスタイプ:ゴースト
持ち物:メンタルハーブ
性格:おくびょう
努力値:H252 B180 C4 D68 S4
実数値:167-64-128-98-104-150
技構成:マジカルシャイン/ひかりのかべ/アンコール/おいかぜ
特性:いたずらごころ
B:A204カイリューのわざわいハチマキテラスしんそく高乱数耐え(87.5%)
D:C177トルネロスのダブルこがらしあらし高乱数耐え(87.5%)
S:準速97族抜き

耐性優秀ないたずらごころおいかぜ要因。トルネロスとは全く別のポケモンであると認識できた。特に、両ウーラオス、オーガポン(いどのめん)、タケルライコに対しての耐性が強かった。

技構成は必須の「おいかぜ」の他、デカヌチャンがまもるに弱い点を補いつつ交代出しとの相性が良い「アンコール」も必須級。積んでくるポケモンに対してもタイミングを合わせるだけで機能停止にできる。

ミウーラガチキリンに対して選出するポケモンであることを考慮し、ひかりのかべを採用。これによってガチグマの最大火力に対してもイーユイが動けるようになる。

攻撃技はマジカルシャインを採用しているが、ムーンフォースとの選択。一長一短だと思う。

もちものは「メンタルハーブ」。後発から出す関係上、ねこだましを受ける展開にはなりづらく、むしろおいかぜを張って優位に立っている相手からのちょうはつを防止できるメンタルハーブが優秀だと判断した。アンコール無効も地味に優秀。サイコノイズで発動するのは大会中に知った。

テラスタイプは「ゴースト」。サポートポケモンとしては無難な選択。

 

カイリュー

テラスタイプ:はがね
持ち物:いかさまダイス
性格:いじっぱり
努力値:H4 A252 S252
数値:167-204-115-x-120-132
技構成:スケイルショット/アイアンヘッド/くろいきり/まもる
特性:マルチスケイル
A:火力が足りないので特化

S:S+1でS190台のハバタクカミを抜けるように準速

読まれず汎用性も高い寿司対策。

ラスタルを切らずとも火力を出せる「いかさまダイス」による「スケイルショット」は汎用性の高さに繋がっている。効果が強い分、外したときのディスアドバンテージは大きい。

寿司や鉄壁ボディプレス、ドブベトンを楽に対策できるくろいきりも確定技。スケイルショットによるBダウンや、いかくによるAダウンに対しても使うことがある。

他の技として、寿司相手に確実にくろいきりを決めるための「まもる」、フェアリーへの打点のアイアンヘッドを採用。「しんそく」も欲しいことはあるが切る技がなかった。

テラスタイプは元タイプとの補完に優れた「はがね」アイアンヘッドが一致になる点も優秀で、シングルバトルで使われる理由も納得である。

自分がダブルに持ってきたと自負していたが、スケイルショットだけではなく、くろいきりとの組み合わせまでも使われていた。

 

イーユイ

テラスタイプ:みず
持ち物:とつげきチョッキ
性格:ひかえめ
努力値:H228 B4 C36 D172 S68
実数値:159-76-101-176-162-129
技構成:ねっぷう/オーバーヒート/あくのはどう/バークアウト
特性:わざわいのたま
B:A204カイリューのハチマキテラスしんそく高乱数耐え(87.5%)
C:11n
D:C183化身ランドロスちからずくいのちのたまだいちのちから最高乱数以外耐え
 C191テツノカシラのCブーストてだすけ抜群テラバースト高乱数耐え(87.5%)
S:余り、S-1最速124族抜き

タイプ優秀で火力も特殊耐久もある厄災。

技構成は、特殊ポケモンを主な役割対象としているので「バークアウト」は確定。残りの技には最大火力を出すための「オーバーヒート」、威力を出すための範囲技である「ねっぷう」、威力命中安定でほのお半減の相手を意識したあくのはどうとした。命中不安が多いため外すことは何度もあったが、9割というリスクに見合ったリターンだと考えている。

もちものは役割対象を考えてとつげきチョッキ。もちもの使用率1%前後とは思えないレベルで適正が高い。HDベースなのも珍しく、相手のダメージ感覚を大きく狂わせる。

テラスタイプは「みず」で採用。みず耐性があるドラゴン、くさ、みずのうち、役割対象であるハバタクカミやイーユイの弱点タイプになるのは渋いと考えてみずを選択した。他の2タイプであればオーガポンの前でテラスタルが切りやすくなるので難しいところ。

 

ウネルミナモ

テラスタイプ:くさ
持ち物:ブーストエナジー
性格:おくびょう
努力値:H52 B12 C196 D36 S212
実数値:181-x-113-170-108-171
技構成:ハイドロスチーム/りゅうせいぐん/マッドショット/まもる
特性:こだいかっせい
B:A172オーガポンのウッドホーン超高乱数2耐え(94.6%)
D:C187ハバタクカミのテラスダブルマジカルシャイン最高乱数以外耐え
S:S活性

威力命中安定のみず技を持ったパラドックスポケモン

技構成は横にイーユイを並べたときの安定行動になる「まもる」、晴れ下でも安定するみず技として「ハイドロスチーム」、最大火力を出すためのりゅうせいぐん、S操作技として「マッドショット」を採用。ウネルミナモは「こごえるかぜ」をはじめ、こおり技は覚えない。

みず技として「ねっとう」も追加効果が強力で選択肢としてはあったが、晴れ下で技の威力が 下がるどころか上がるハイドロスチームは対ほのおタイプの強さに繋がっていると判断して採用した。

S活性ウネルミナモを採用して予選抜けした構築が他にもあり、ワイドブレイカーやバークアウトが採用されていた。構築の系統が違ったとはいえ、もう少し技構成の検討の余地があったかもしれない。

もちものは「ブーストエナジー。イーユイなしでは火力が足りないのでC活性でもよかったが、構築的にパオジアンの上を取れなくなるのでS活性を選択。

テラスタイプはモロバレルを意識した「くさ」。基本的に切ることはなかった。

 

選出

あくまでも選出の例。

基本選出

先発: + 

後発: + @1

イーユイやイエッサン、化身ランドロスなどがいない場合に多い基本選出。おんみつマントやゴーストテラスには要注意。

デカウーラでテラスを切ってでも1匹持っていってそのまま有利を繋げるのが理想。@1にはどのポケモンも入る。

相手のねこだまし持ちやS操作の手段によってはエルフーン先発もあり得る。

対カミイーユイ/イエカシ

先発:+or

後発:+@1(デカヌチャン以外)

イエッサンにねこだましが効かないのは言わずもがなであるが、イーユイもゴーストテラスタルが多い上にウーラオスとデカヌチャンが簡単に倒されるため基本選出はできない。チョッキイーユイが対特殊で滅法強いので、バークアウトをばら撒きながらイーユイが不利な相手をどう倒すかを考えていく。

化身ランドロス入りに対しても似たような選出になる。

対寿司

+のみ確定

寿司も構築の幅が広いので、ウーラオスを出すかイーユイを出すかなどは要検討。おいかぜやアンコール、スケイルショットやくろいきりを駆使して寿司には比較的有利に立ち回れる。

苦手な構築

原種ガチグマ入りトリパ

トリルアタッカーが特殊であれば大体何とかなるが、原種ガチグマに関してはトリル下で綺麗に着地された瞬間詰みだと感じた。予選の上位に原種ガチグマ入りの構築が散見されたのは、自分のように対策を甘えていた人が多かったのかもしれない。

すなじごくディンルー
ガオガエンが入っていることもあり、ウーラオスで技選択をミスった瞬間に負けに繋がりやすい。ウーラオスの使い方で全て決まる。

戦績

JCS2024予選第1回 最高最終1760.655 96位

おわりに

デカヌチャンだけでなく、HDチョッキイーユイやスケショ霧カイリュー、マッドショットウネルミナモ、交代出しのためのエルフーンなど構築の独自性を保ちながらも各々が強い良い構築にまとめることができたと感じている(採用率がイーユイのチョッキ<カイリューのダイスなのは意外だったが)。

以前の予選で使用した氷雪ビビルーと違って単体技をメインで使うため難しい構築である上に、型バレしていないことによる強さもあったため、公開後の強さは保証できない。下振れもある(予選がそうだった)ので、立ち回りでカバーすることが余計に多くなる。しかし、デカウーラで様々な要素を無視してワンパンするのは爽快。

本戦まで2ヶ月以上あるので、新たな構築を組んで、今年もライブ大会を目指していきたい。